【クー・ド・フードル シルヴァネール&ミュスカ 2015】
このキュヴェは平地に植えられたシルヴァネールと、マセラシオンを5日間行い600Lの樽で発酵熟成したミュスカを瓶詰め前にアッサンブラージュしました。淡いピンクイエローの外観に、ハッサクやピンクグレープフルーツやライチなどの南国系果実の甘い香りを感じます。レモネードに似た酸やほんの少しの苦みとミュスカの旨みがグラデーションのように移ろい、戻りのある華やかなアフターを演出します。
ドメーヌ・ジュリアン・メイエーは1705年から存在する歴史ある造り主で、1999年から100%ビオディナミ農法にしました。醸造面においても人為的に必要以上に手を加えず常に酸化防止剤無添加で造りあげています。「土を醸造家が借りている」とは彼の名言の一つで常に自然への敬意をはらい、日本の自然農法の第一人者・福岡正信氏の考え方も取り入れ、畑には藁がまかれています。
ー あなたのワインの歴史のなかでの進化とワインで表現したいものは、何ですか?
何ごとにも通じることだけれど、ものごとを俯瞰で、客観的に判断すること、その重要性を感じています。都会の生活やテクノロジーとも離れて、命と対峙して、今の時代を生きることが大切…というふうにもいえますね。あなたの質問に、私の思想を説明することは簡単ではありません。なぜなら、農業の知識、天文学、ビオディナミ、命のことも含めて、僕のワインが成り立つから。だから、すべての観点で説明を始めたら、何日間も必要になるんです。何でも簡単に済ませようとするのは、現代社会の悪い癖ですよね。それでも、もし二つのキーワードを答えるとしたら、やっぱり「俯瞰でものごとを見ること」それと「愛」だ。でもね、言葉以上の力を持つのは、実際に見て体験することだ。僕の畑に来くれば、きっとそのことを実感できる。そしてわかるさ。
ー ワインを造るうえで一番、歓びに感じていることは何ですか?
一番、価値があると思うのは、イレギュラーな結果を皆さんに見てもらえることかな。例えば、ヴィニロンとして枠組みや常識から外れることを実践して、意外な結果を導き出すことができる。その結果をワインを通して見せることができる。一生かけて、シンプルなことを追求していくんだ。シンプルというのは、簡単ということではないんだ。シンプルを追求することは、とても難しい。それに一生を費やしたいと思うよ。
ー 日本のワインラヴァーの皆さんへメッセージをお願いします。
私は、日本を愛しています。私のワインを愛してくれる、あなたたちをとても愛しています。
ー ディオニーにお祝いのメッセージをお願いします。
今日は、私にとってとても幸せな日です。15周年、おめでとうございます。今日という日が永遠に続いたなら、楽しすぎて、幸せすぎて、僕は死んでしまう(笑)だって、ディオニーは、幸せの塊だからね。