【クー・ド・フードル カベルネフラン 2009】
このカベルネ・フランのラストヴィンテージ2009年は伝統的なボルドーの手法にナチュラルワインのスタイルをミックスした醸造方法で造られており、1975年に植えられたカベルネ・フランを除梗した上でカルボニックせずに発酵熟成しました。茶色を帯びたルビーの色調から、チェリーやバラの可憐な香りが拡がります。ピュアな果実味に口角が上がる甘酸っぱい酸が特徴の美しいスタイルのワインです。
2002年からロワール/トゥーレーヌの地でワイン造りを続けるドメーヌ・デ・ボワ・ルカの新井順子、現在、所有している畑は、自ら植樹したシャルドネ、コ、ピノノワールで計3ha弱です。2012年よりサンセールのセバスチャン・リフォーともコラボレーションしており、彼のブドウと醸造所を借りてボワルカスタイルのサンセール・ソーヴィニヨンブランを生み出しています。そして今春は、彼女が茨城県・日立でつくる日本酒がリリースされました。
ー あなたのワインの歴史のなかでの進化とワインで表現したいものは、何ですか?
ブドウをいかに素直に表現できるか…という、とてもシンプルなことです。ワイン造りは、いかにシンプルを追求するかなんです。収穫してきたフレッシュでおいしいブドウを、どのようにして皆さんのテーブルまで届けるのか。そこには絞る、醸す、熟成する、瓶詰めする…という一つ一つの作業があって、当然、手を加えれば加えるほど、味は変化していくし、フレッシュさは損なわれる。シンプルに味を変えないでキープするのは、すごく難しいんです。それが、私にはとても高テクニック、高レベルだと思うんです。でも、2006年に解ったんです。その年から、ミレジムがそのまま反映されるようになったんですね。それからは、肩の力を抜いて、シンプルにできるようになりました。それが進化といえばそうなのかもしれませんね。けれど、じつは毎年、畑や自然から教えられているんですよね。それを、自然と同化しながら、私という造り手が、手や足を使ってワインを造る作業を担う、そういうことだと思います。
ー ワインを造るうえで一番、歓びに感じていることは何ですか?
一つは、自分の狙い通りのワインに仕上がったとき。そしてもう一つは、飲んだ人が「美味しい!」といってくれた瞬間が最高に嬉しいときです。
ー 日本のワインラヴァーの皆さんへメッセージをお願いします。
私たち造り手は、すごく真摯にワインを造っています。だから飲む人も真面目に、妥協せずに飲んでほしいんです。ただ酔いたいという欲求ではなく、心からおいしいと思うものを飲んでください。そして、おいしいと思って下さったなら、ぜひ私とともにワインゲル係数をあげましょう(笑)
ー ディオニーにお祝いのメッセージをお願いします。
15周年、本当におめでとうございます。ディオニーさんと私は、結婚した間柄ですから、もっともっと成長していただきたいと思いますし、たくさんのお客さまに支えられていますので、これからも20周年、30周年に向って、猛進していただきたいですね。本日は、おめでとうございます…ですが、頑張りましょうというメッセージに変えさせていただきたいと思います。