【クー・ド・フードル ノー ワインズ ランド 2014】
No Wine’s Landは、コルナスとサンジョゼフの中間エリア産の「ノーワインズランド」=ワインのない土地と原産地統制を英語で皮肉ったネイミングです。粘土石灰土壌のシラーをステンレスタンクで発酵後、12ヶ月熟成しました。紫がかったルビー色に黒糖やチョコ、挽き立てのコーヒーの香ばしいアロマ、ビロードのような質感と目の詰まった果実味に美しい酸と滑らかなタンニンがバランス良く調和しています。
ドメーヌ・デュ・クレのマチュ・バレーは、コルナスで1999年に祖父のドメーヌを譲り受け、現在では13haの畑を所有しています。平均樹齢35~40年、中には1920年代に植えられたシラーの古木が「ゴア」と呼ばれる古い花崗岩土壌に植えられており、ミネラルに溢れたワインを造り出します。さらなる土壌の活力を活かすため、2001年からビオロジック、2002年からビオディナミ農法を実践、テロワールを最大限に表現するため熟成には新樽は使用しません。
ー あなたのワインの歴史のなかでの進化とワインで表現したいものは、何ですか?
ワイン造りを始めた頃から、テロワールとブドウ、自然の表現を極めたいという気持ちは変わらない。でも、自分のなかでの変化はあったね。最初の頃は自己主張をするようなワインを造っていた。それが次第に、フィネスやバランス、繊細さを求めるようになった。自己表現ではなく、土壌の表現を、バランスをどう表現できるのかに変わった。そのために、収穫の時期も大きく変えたんだ。始めたころはブドウの完熟を待って、とにかくギリギリのタイミングで収穫してたんだ。それが経験を重ねることで、糖度と酸のバランスがちょうど良いタイミングを狙えるようになった。それは、自分のなかでは大きな変化といえるね。あとは熟成の段階でも、より繊細な造りになってきた。ワインに繊細さや緊張感を持たせるための造り、それを今、追求しているよ。
ー ワインを造るうえで一番、歓びに感じていることは何ですか?
一人、ブドウ畑で命と触れ合うこと、そして調和できることが何よりも歓びかな。僕は、たくさんの人たちと騒いでいるのが好きな人間に見られるけど、本当は一人の時間が好きなんだ。カーヴで一人考える、自分と対峙する、そして集中力を高める。一人の時間があるから、たくさんの人とのコミュニケーションを楽しむことができる、何ごともバランスだね。
ー 日本のワインラヴァーの皆さんへメッセージをお願いします。
僕のワインを楽しんでいただき、ありがとう。僕のワインを好きな人と僕には共通点がある。僕のワインを飲んでいる人は、皆、いい人たちなんじゃないかい(笑)それは冗談だけど…。生きることを愛している人であることは、きっと間違いない。人生を楽しむためのワイン、だからワインとともに人生を楽しもう。
ー ディオニーにお祝いのメッセージをお願いします。
ディオニー15周年、本当におめでとうございます。心ある魂のこもったワイン、土壌を表現しているワインを日本に紹介して下さってありがとう。僕たちのような造り手を支えて下さったことに、心から感謝します。