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ボディガの名前にもなっているワイン『マラニョネス』は、「南のピノノワール」と言われるガルナッチャを体現するワインです。ピュアで淡い色調、そして、どこかピノノワールを思わせる可憐さと繊細さがあります。華やかさのなかにスゥーと伸びる酸とミネラル感が美しく調和する味わいです。

ボディガの名前にもなっているワイン『マラニョネス』は、「南のピノノワール」と言われるガルナッチャを体現するワインです。ピュアで淡い色調、そして、どこかピノノワールを思わせる可憐さと繊細さがあります。華やかさのなかにスゥーと伸びる酸とミネラル感が美しく調和する味わいです。
特集ワイン
フェルナンド・ガルシアは、1978年スペイン・マドリッドでワイン造りとはまったく無縁の家系に生まれました。ガルシア家は、毎週マドリッド郊外の田舎にピクニックに出掛けるのが習慣で、フェルナンドは幼少時から、大都会マドリッドよりも田舎の大自然のなかで遊び、学ぶことが好きでした。大学は農学部に在籍し農業全般を専攻、最終的に興味を持ったのがワインでした。彼にとって、ワインの世界に足を踏み入れたことはごく自然の流れだったのです。
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復活を遂げた産地マドリッド

復活を遂げた産地マドリッド

スペインの首都マドリッド近郊にワイン産地があるのをご存知ですか。ヴィノス・デ・マドリッド(D.O. Vinos de Madrid)は、1990年と比較的新しく原産地呼称に認定された産地ですが、ワイン造りの歴史は長くローマ時代にまで遡ります。17世紀のマドリッド州にはブドウ畑が広がり、ワイン造りが盛んに行われており、国王フェリペ4世が王室御用達ワインとしても愛飲していたとか。しかしながら、スペイン内戦やフィロキセラ(ブドウ根アブラムシ)禍などの被害によるダメージ、さらには首都圏拡大による宅地化などが影響して栽培面積が半分以下に衰退していきました。その後、80年代に入り本格的なワイン造りが再開され、リオハやリベラ・デル・ドゥエロなどの有名なワイン産地と競い合い品質レベルを高め、見事に復活を遂げたのです。この地の情熱あるナチュラル・ワインのパイオニア、それがフェルナンド・ガルシアです。

ブドウ栽培に理想的な気候風土

ブドウ栽培に理想的な気候風土

ヴィノス・デ・マドリッドは、イベリア半島のほぼ中央に位置し、メセタと呼ばれる高原地帯にあります。3つのサブゾーンに分かれていて、マドリッドから約70kmにあるボディガ・マラニョネスは、サン・マルティンと呼ばれる地域にあります。標高650〜850mに位置しており、地中海性気候の影響を受けた大陸性気候です。凍てつく冬と焼けつく夏、そして夏場でも朝晩冷え込むことがあるというような、季節や昼夜による寒暖差を兼ね備えた、気候条件の厳しい地域です。また、圧倒的に雨が少ないスペインのなかでは平均降水量が600〜800㎜程度と比較的多いのが特徴です。それを証明するように、この地には雨の多い北スペインでしか自生しない栗やスピノサスモモ(スペインの伝統的リキュール・パチャランの原料)を見ることができます。さらに、いくつかに分散したブドウ畑は、すべて丘や山の斜面に広がり、風が吹き抜けるため、この地の過酷な天候を和らげるうえに、病気を防ぐという利点も備えていて、ブドウ栽培には理想的な環境です。

ワインに大切なのは酸とミネラル感

ワインに大切なのは酸とミネラル感

ガルナッチャは、この地域で昔から栽培されてきた品種です。フェルナンドは、当時スペインワインとして高い評価を得ていた過熟感があり厚みとアルコール度数が高いスタイル、そしてガルナッチャのジャムのような厚みがあってリッチな口当たりよりも、ワインに一番重要な酸とミネラル感をどう自分のワインに取り入れ、エレガントに仕上げるのかを昼夜問わず考えていました。そして、行き着いた答えがバイオ・ダイナミクス農法です。しかし、スペインにはあまり情報がなく、フランスのサロンに出掛けては情報収集をするしか方法はありませんでした。そんな折、彼に一つのチャンスが訪れます。弁護士フェルナンド・コルネホ氏との出会いです。彼は15haのブドウ畑を持っていましたが、ワイン造りには興味がなく、ブドウを農協に販売していました。二人のフェルナンドは、当時主流だったグローバル化の波には疑問を呈し、その土地本来の品種で、土地の個性を持ったおいしいワインを造りたいと意気投合。弁護士フェルナンドが若きフェルナンドの夢に投資し、ボディガ(酒蔵・ワイナリー)を新設する形でワイン造りがスタートしました。畑に植わっているガルナッチャは、フィロキセラ禍の被害後に植え替えられた樹齢50〜80年という古樹ばかり。フェルナンドは、ブドウを丁寧に育てることで、ポテンシャルを最大限引き出す努力をします。古樹のブドウからエレガントさを、標高と湿度の高さからはキレイな酸を、そしてシストを含む片麻岩質からミネラル感をといった具合です。さらに、太陽の恵みを存分に受けることのできるスペインでは、ブドウにどれくらい太陽を取り入れるかが重要なポイントになります。真夏にはブドウの果実を葉で覆い、極力太陽光が直接当たらないよう工夫します。『マラニョネス』の畑は、北向きの急斜面のため、畝起しなどは馬で作業し、ブドウの収穫ももちろん手摘みで行います。

ガルナッチャの新境地、彼の個性を体現するワイン

ガルナッチャの新境地、彼の個性を体現するワイン

スペインにおけるこの10年のワインの流れのキーワードが「Vinos personales(個性を表現するワイン)」と言われます。土着品種でその土地にこだわり、テロワールを大切にし、自然をリスペクトした栽培で造られたワインを現しますが、まさしくフェルナンド・ガルシアの情熱と取り組みを指す言葉のようにも感じます。ボディガの名前にもなっているワイン『マラニョネス』は、「南のピノノワール」と言われるガルナッチャを体現するワインです。ピュアで淡い色調、そして、どこかピノノワールを思わせる可憐さと繊細さがあります。華やかさのなかにスゥーと伸びる酸とミネラル感が美しく調和する味わいです。このワインは、まさしく彼の目指すスペインワイン、そしてガルナッチャの新境地であり、彼の個性を表現するワインそのものです。ブドウを空気圧搾後、14~16℃で醸しオーク樽とフードル樽にて低温で20日間ほどアルコール発酵させ、20℃でのマロラクティック発酵を経て16~18℃の樽にて約360日熟成させました。自生酵母のみ使用。無濾過にて、瓶詰めしております。