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コート・デ・ブランのグラン・クリュに格付けされた「シャルドネの聖地」ともいえるアヴィズ村で自家栽培・自家醸造のレコルタン・マニピュラン(RM)でテロワールの個性溢れるシャンパンを造り出すフランク・ボンヴィル。

オリヴィエ・ボンヴィルのプロフィール
シャンパーニュの中心都市エペルネに近いアヴィズ村にドメーヌを構えるフランク・ボンヴィル。この地は、コート・デ・ブランのグラン・クリュに格付けされた「シャルドネの聖地」ともいえる村でド・スーザ、ジャック・セロスといったビック・ネームも軒を連ねます。現当主であるオリヴィエ・ボンヴィルは、家業である小規模生産のレコルタン・マニピュランを継承し、コート・デ・ブランの特徴溢れる豊かな味わいとコストパフォーマンスでグラスを交わす者たちを魅了しています。
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インタビュアープロフィール
バブルの落とし子。ブランド志向の20代を過ごし、30代半ばにして本当の心の豊かさを求め、シンプルライフに目覚める。モノを見極める審美眼は周囲からの評価も高く、数多くの執筆を手掛ける。おいしいものへの追求も人並み以上なのだが、アルコールが得意でないため、ワインには量より質を求める。好きなワインのタイプは、ヴァン・ナチュレルの白。映画会社、レコード会社、出版社などを経て、WEB・モバイルプランナー、エディター、ライターとして活躍中。2012年1月にオープンした自然派ワイン専門店『pcoeur(ピクール)』のプロデューサーを担当し、現在、オーナー兼店主を務める。
 
【編集・執筆】池田 あゆ美|オフィス アイダブリュー
// Office AIW // オフィス アイダブリュー

シャンパンの個性を楽しむなら、白ワインの楽しみ方で

シャンパンの個性を楽しむなら、白ワインの楽しみ方で

― 醸造について伺いたいのですが。

O:まず最初に、シャンパンのベースとなるヴァン・クレールという辛口のスティル・ワインを造ります。圧搾した果汁は、ステンレスタンクと小樽に入れるとゆっくりと発酵を始めます。今年は、バトナージュ(ワインを撹拌すること)を行いましたが、これによって特有の果実の厚みやミネラリティ、トロピカルフルーツを感じさせるふくよかな香りを引き出すことができます。
 
ベースとなるワインが出来たら、すべてのワインを試飲します。味わいにはバラつきがありますので、さまざまなビンテージやタンクのワインをブレンドし、複雑な香味を醸し出し造るのが、一般的なノン・ヴィンテージ・シャンパンです。フランク・ボンヴィルでは、ブリュット・セレクションがこれにあたります。
 
ベースとなるワイン試飲をした段階で、最高のグレードのものはヴァン・ド・レゼルブに、次に洗練されていて爽やかで、かつパワーがあるタンクは、極上のシャンパンである、プレステージに用います。ワインの出来が良い年にはアッサンブラージュを行わずに、その年収穫されたものだけを瓶詰めしミレジムとします。
瓶詰め時に、少量の酵母と糖分を混ぜたリキュール・ド・ティラージュを加えて、涼しい一定温度の地下倉庫に寝かせるとゆっくりと壜内二次発酵が起こります。最後にオリを取り除くデコルジュマンの作業を行い、デコルジュマンで目減りした分を補うドサージュを行います。
 
このドサージュには、シャンパーニュ地方の名産であるビーツの蔗糖を混ぜたヴァン・ド・レゼルブを用います。私のドメーヌのような小規模のレコルタン・マニピュランが、ヴァン・ド・レゼルブを使用しているのは極めて珍しく、これは代々引き継がれているものなのです。

― 近年の傾向としてエクストラ・ブリュットやノン・ドゼが増えてきていますが。

O:マーケットがシャンパンにもキリッと辛口を求める背景があることは事実です。私も昨年、エクストラ・ブリュットのシャンパン造りにチャレンジしました。エクストラ・ブリュットは糖分をごく少量、ノン・ドゼは添加しないため、果実の自然な甘さで勝負するしかないといえます。このノン・ドゼやエクストラ・ブリュットがすべてのシーンや人に合うかというと疑問を持ちます。個人的には、パーティなどには、やはりブリュットの方が好ましいと思うからです。そういう意味では、エクストラ・ブリュットは上級者向けのキュベともいえるかもしれません。私の造るエクストラ・ブリュット、この記事を読んでいただく頃には日本の皆さまにもご紹介できると思います。

卵とフレッシュトマト
― シャンパンのキュベごとに、あなたの考えるマリアージュを教えて下さい。

O:食事とのマリアージュをお答えする前に、すべてのシャンパンはアペリティフのお供に最高です。各キュベのマリアージュをお答えすると、ブリュット・セレクションは、オマール海老や魚の料理とともに、ブリュット・ロゼは、フレッシュなフルーツサラダや卵を使ったお料理、日本ではお寿司にもおすすめです。ブリュット・ミレジムは、舌平目やスズキのムニエル、白身肉のローストと相性がいいですね。日本に来てインスピレーションを得たのは、日本の海鮮料理とブラン・ド・ブランのシャンパンの相性が良いということです。昨夜は、タタミイワシを食べましたが、これにはブリュット・ロゼが合いますね。

― ヴィンテージ'05が2010年のノーベル賞晩餐会で採用されましたね。

O:私がアプローチをした訳ではありませんが、大変光栄なことです。私のシャンパンが、この晩餐会に関わる多くのシェフやソムリエの方たちに選ばれたということですからね。

― 星付きレストランで、あなたのシャンパンを楽しめる店をいくつか紹介して下さい。

O:フランス国内となると少し広域すぎますのでパリに限定してお応えしますと、「ギー・サヴォワ」やフォー・シーズンズ「ル・サンク」でお楽しみいただけます。

― 日本の皆さんへのメッセージをお願いします。

O:難しく考えず、あなたの大切な人や家族とともにシャンパンを楽しんでください。日本では晴れの日にシャンパンを楽しむと伺いましたが、1つアドバイスするとしたら、シャンパンも香りや泡立ちを楽しむことは大切です。フルート型のグラスでシャンパンを楽しむのが使用習慣として一般的になっていますが、これではシャンパンの魅力が十分に引き出せません。シャンパンも白ワインと同じように捉えて、チューリップ型か白ワイン用グラスで、そして白ワインと同じ温度でお楽しみいただくことをおすすめします。フルート型グラスで楽しむ時とは、また違う世界が見えてきますよ。

― 本日はありがとうございました。
オリヴィエ・ボンヴィルの造るシャンパンは、本人が思うよりも価格以上のクオリティがあると思うのは私だけでしょうか。造り手の信念と豊かな個性に満ちた味わいは純粋においしく、個性や品質を考慮するとかなり安いと思えるのです。今宵は、泡を愛でながら、造り手の個性を語らい、レコルタン・マニピュランのシャンパンを味わってみませんか、大切な人と一緒に。

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