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コート・ドールの希少なビオディナミスト、ジル・バロラン。ピエール・マッソンに師事したジルが造り出すのは、ピュアな果実味とナチュラルで心地良いエキス分が身体に滲みわたる味わいワイン。黒胡椒とカシスの香り、洗練されたミネラル感と旨み、冷涼で引締った味わいが見事な『マルサネ・レ・ゼシェゾー』

コート・ドールの希少なビオディナミスト、ジル・バロラン。ピエール・マッソンに師事したジルが造り出すのは、ピュアな果実味とナチュラルで心地良いエキス分が身体に滲みわたる味わいワイン。黒胡椒とカシスの香り、洗練されたミネラル感と旨み、冷涼で引締った味わいが見事な『マルサネ・レ・ゼシェゾー』
特集ワイン
ワイン造りに縁のない家庭に育ったジル・バロランは、少年の頃に収穫を手伝った経験からワインに魅せられ、自分のワインを造りたいという夢を抱き、醸造家を目指しました。この世界への第一歩は、1996年ボーヌにあるネゴシアンへの就職でした。その後、醸造の勉強と修行に励み、遂に2005年念願のドメーヌを創設、ジルが37歳の時でした。
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コート・ドールでビオディナミ農法を実践する、新鋭の造り手ジル・バロランがドメーヌ名に込めた家族への深い想い

ドメーヌ名に込められた想い
ジル・バロラン

帯状に続くコート・ドールは、「神に祝福された土地」ともいわれ、秋になると丘の斜面のブドウ畑が黄金色に輝くことから、この名が付けられました。コート・ドールの北半分、かのロマネ・コンティに代表されるコート・ド・ニュイ地区の中心都市ニュイ・サン・ジョルジュからグラン・クリュ街道をディジョン方面へと北に向かい、「ニュイの真珠」と呼ばれる特級畑を左に眺めつつ暫く車を走らせると、そこはモレ・サン・ドニ。ジル・バロランの長年の夢は、この地にドメーヌを築くことでした。ワイン醸造家を目指し、アントナン・ロデ社で働きながら醸造学校に通い猛勉強、フィリップ・シャルロパンやジャック・プリウールで修行を積み、念願のドメーヌ設立に至ったのは2005年のこと。2007年に現在のモレ・サン・ドニへと移転しました。ドメーヌ名の「&F」には、filles(娘たち)、famille(家族)、femme(奥様)、Fabienne(奥様の名前)という4つ意味が込められており、彼の家族への熱い想いが伝わります。強い信念のもと着実に一歩ずつ夢を実現したジル・バロラン。この地では新鋭ですが、すでに名声を築こうとしている生産者です。

「ビオ・リュネール」に所属しているジルは、土が健康であれば、ブドウはおいしく健康に育つと語る

答えは土にある
レ・ゼシェゾーの土と実ったブドウ

ジル・バロランが自ら耕すブドウ畑は、ディジョン郊外南部のマルサネからニュイ・サン・ジョルジュまでのコート・ド・ニュイのエリアに6.5haです。ジルはビオディナミ実践団体「ビオ・リュネール」に所属し、会長のピエール・マッソンやメンバーのコント・ラフォン、ディディエ・モンショヴェらに直接師事し、創業時よりビオディナミ農法を取り入れています。それぞれのテロワールをしっかりと表現するため、2008年からはすべての畑でビオディナミ農法を実践。2008年にはエコセール、そして2009年にはデメテールの認証を取得しました。ブドウの栽培には、自ら調合したプレパラシオンを使用し、マリア・トゥーンの農業暦(月カレンダー)に従って栽培を行います。ジルは語ります「答えは土にある。土が健康であれば、ブドウはおいしく健康に育つ」と。彼は今日も自然を慈しみながら、大地の声に耳を傾け、果実が限りなく健全に成熟するよう丹精込めて畑仕事に励みます。『マルサネ・レ・ゼシェゾー』に植わるピノノワールの樹齢は、平均30年。収穫には大切な果実が傷まないように細心の注意を払い20kgの小さな収穫カゴを使用、リーファートラックでドメーヌまで運び込みます。【収量:30hl/ha】

ワインの味わいに、洗練されたミネラル感や純粋で涼やかな味わいを醸し出す、名畑レ・ゼシェゾーのテロワール

ミネラルと清涼感を醸す名畑
レ・ゼシェゾーの全景とテロワール

レ・ゼシェゾーの区画は、マルサネ・ラ・コートの西部、丘の上に位置する名畑で、東に傾斜した畑は標高約200mです。このクリマの特徴はブルゴーニュでは稀なグレーズ・リテという赤茶色の土壌で、ジュラ紀中期のバジョシアン階の石灰岩土壌が基層になっています。これはシャンベルタン・クロ・ド・ベーズやシャンボール・ミュジニー・レザムルーズと同様の土壌といわれています。また、オステリア・アキュミナータと呼ばれる牡蠣の化石・堆積物を大量に含んでいるのが特徴です。緑の丘稜の谷間に広がるブドウ畑には、丘からの風が吹き抜けるため、湿気や空気がこもりにくい地の利もあり、良質なピノノワールが生み出されます。この冷涼な気候や土壌の特徴は、ワインの味わいの基軸となり、洗練されたミネラル感や純粋で涼やかな味わいを醸し出しています。

ブドウの果実と同じくらい純粋で自然な味わいは、「畑の仕事を最も大切にして醸造時には余計な介入をしないこと」というジルのワインスタイルが生み出した賜物

ワインはブドウと同じくらい純粋で自然

Stéphane Chassinの樽

収穫されたブドウは、仕込み前に選果をして、健全なブドウだけにします。ブドウは100%除梗し、自生酵母のみで発酵させます。酸化防止剤(SO2)の添加は最小限とし、赤ワインの場合は醸造時にのみ使用します。補糖もしません。新樽比率20%程度で樽熟成され、マロラクティック発酵を経て、農業暦(月カレンダー)に従いタンクへ移動、ノンフィルター・ノンコラージュで瓶詰めします。 ジルの目指すワインスタイルは「畑の仕事を最も大切にして醸造時には余計な介入をしないこと」と、極めてシンプル。醸造のキーワードは「ブドウ本来の純粋さと繊細さと果実味を失わないための細心の心遣い」と熱く語ります。 黒胡椒とカシスの香り、洗練されたミネラル感と旨み、冷涼で引締った味わいが見事な『マルサネ・レ・ゼシェゾー』ピュアな果実味とナチュラルで心地良いエキス分が身体に滲みわたる、ブドウの果実と同じくらい純粋で自然な味わいです。