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かの川端康成も気に入ったという京の地酒は、洛中の銘水「銀名水」とふくよかな味わいの京の米「祝」の旨味を生かして、杜氏の手で育まれたお酒『京生粋』あくまでも京都にこだわった地酒は、はんなりとやわらかい味わいで食卓を彩る名脇役です。

かの川端康成も気に入ったという京の地酒は、洛中の銘水「銀名水」とふくよかな味わいの京の米「祝」の旨味を生かして、杜氏の手で育まれたお酒『京生粋』あくまでも京都にこだわった地酒は、はんなりとやわらかい味わいで食卓を彩る名脇役です。
特集和酒
安土桃山時代、豊臣秀吉は京都の内野に自身の権力と地位を誇示するために相応しい豪華絢爛な政庁兼大邸宅を建立しました。今、その「聚楽第」の跡地を訪れると、まさしく強者どもの夢の跡といった風情で、往時の面影を見つけることはできません。跡地の南端に位置する現在の上京区は、今も「出水」という地名が残されているように良質の地下水に恵まれ、古くから酒造りが盛んな地でもありました。
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千利休が茶の湯に用いたという「銀明水」は、中硬水でミネラル分を適度に含み、鉄分やマンガンの含有量が少なく、まろやかな口あたりを生み出す銘水です。

千利休が茶の湯に用いた「銀明水」で仕込む酒

明治26年の創業から一貫して、手作りで京の地酒を造り続けるのは、洛中に残る最後の蔵元「佐々木酒造」です。この酒蔵一帯は、平安時代には、内酒殿(うちのさけどの)という内裏に納める酒を醸造する役所が置かれた場所で、京の酒造りの起源の地といえます。さらに室町時代には、年貢米の集積場があり、幕府が酒造りを助成したことから、洛中とその周辺だけで342軒を数える蔵元が軒を並べる日本でも有数の酒処でした。時が流れ、この地で酒造りを行うのは、佐々木酒造たった1軒となり、今日も伝統を守りつつ、新分野にも果敢に挑戦しながら、地酒を造り続けています。銘酒を生み出すためのこだわりの1つは、水。この地で、今もこんこんと流れる千利休が茶の湯に用いた銘水「銀明水」を仕込み水に使います。「銀明水」は、中硬水でミネラル分を適度に含み、鉄分やマンガンの含有量が少なく、酒造りに適したお水です。この水で仕込んだお酒は、まろやかな口あたりを生み出します。

その土地だけの味わいを「身土不二」の精神で。酒造りに欠かせない「水」、「米」、「麹」をすべて京にこだわり、京都古来の酒米「祝」で仕込んだお酒です。

その土地だけの味わいを「身土不二」の精神で

酒造りに欠かせない「水」、「米」、「麹」をすべて京にこだわりたい、京にしかない個性を持ったお酒を造りたいと醸されたお酒、それが『京生粋』です。「京のお酒ですといいながら、よそで作られた山田錦を原料米として造っているのでは、おもしろくない。京の水、地元の風土で育んだ米で醸した地酒を地元の料理に合わせる。地元の食文化と地酒とが出会ったときこそ、その土地の味が生まれ、地酒の本領が発揮されます」そう語るのは、佐々木酒造4代目、代表取締役の佐々木晃氏(佐々木酒造は、俳優の佐々木蔵之介氏のご実家で、晃氏は弟さんです)あくまでも京都にこだわった地酒『京生粋』は、酒造好適米として復活した「祝」米で造られます。京都古来の酒米「祝」は、原種に近く背丈が160cm程と高いため、雨風の影響を受けて倒れやすく、栽培には神経を使います。また、高精白に適した品種ですが、磨きにくく心白(米の中心部に白く見えるでんぷんの固まりで、酒造りに使う部分)が軟らかいのでよく水を吸います。けっして扱いやすい品種ではありませんが、そのような特徴を逆手に取り、蔵人たちの鋭い感覚と判断で、やわらかく膨らみのある味わいのお酒に醸します。

酒米「祝」と相性良く繊細でやわらかな味わいの良さを最大限に引き出し、香り奏でるのは「吟醸酵母 京の琴」

酒米「祝」と相性良く、香り奏でる「京の琴」

日本酒造りの発酵には、2つの微生物の働きを利用します。発酵に係る菌は麹と酵母の2つですが、『京生粋』は、酵母も京にこだわりました。産業技術総合研究所と京都市工業試験場、そして佐々木酒造が共同で開発した「吟醸酵母 京の琴」を使用したお酒は、青リンゴや洋梨のような香気が特徴です。「吟醸酵母 京の琴」は、酒米「祝」の磨きにくいという欠点を補うかのような、高精白しなくても上立ち香が出しやすいという性質を持ち、さらに「祝」の繊細でやわらかな味わいの良さを最大限に引き出すことのできる酵母です。香気に優れた日本酒は、新酒での評価は高くても、夏を越すと評価の下がるものもあります。しかし、この酵母で仕込んだお酒は、熟成を経ても味わいや香気の乏しさが感じられず、長くお楽しみいただけるのも特徴の1つです。

米の旨味と香りをバランス良く調和させた、やわらかく、はんなりとした味わいで京の風土をまるごと味わえる地酒『京生粋』

都の風土まるごとの地酒『京生粋』

洛中の銘水とふくよかな味わいの京の米の旨味を生かして、杜氏の手で育まれたお酒は、かの川端康成も気に入ったほど。京の伝承技法へのこだわりが、銘酒を生み出しています。京へのこだわりは味わいだけにあらず、エチケットにも昔ながらの手漉きの技を守り続ける「黒谷和紙」を用いています。約800年もの伝統を誇る 「黒谷和紙」は、楮(こうぞ)を100%原料にして漉いた純楮紙です。とことん京にこだわった『京生粋』は、京料理の繊細で上品な味わいを引き立てるように、米の旨味と香りをバランス良く調和させた、やわらかく、はんなりとした味わいです。前述の佐々木晃氏はいいます。「日本酒が日本料理と合わない訳がないのです。京の地酒ですから、京のおばんざいやだしのきいたお料理、蕪蒸し、鰆の西京焼きなどのお料理との相性が良いのはもちろんですが、難しく考えずに、薄味のものから濃い味のものまで幅広いお料理と合わせてみてください。『京生粋』は、四季折々のお料理をより引き立てる名脇役として、食卓を豊かに彩ります」ご家庭の食卓でも都の味と風土がまるごと楽しめる『京生粋』をぜひ一度お楽しみ下さい。