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特集ワイン
すべてが自然。言うは易しだが、それをワインで成し遂げる人間がいる。マゼルのジェラルド・ウスリック……彼の佇まい、畑、葡萄、そして仕上がったワイン。彼が語らずとも、何かが伝わってくる。そう、ワインが語りかけてくるのだ。ありそうでない、彼のワインはあなたを間違いなく虜にすることだろう。
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このドメーヌ・ル・マゼルは、南部ローヌのなかでは最も北に位置するローヌ河右岸のValvigneresという小さい村にあります。ジェラルドが父からブドウ畑を引き継いだのは1985年。ワインの個性や品質より、効率重視の均一化されたワインに抵抗を感じていたときでした。丁寧なブドウ栽培を行いながらも、協同組合に持ち込むことを生業とする状況が数年続きます。そんな中、運命の出会いが彼の意識を「生産者元詰め」へと変えます。ジャック・ネオポール氏、そしてマルセル・ラピエール氏と交流することで、ワインの品質こそがすべての結果と考えるに至ったのです。


父の代から減農薬でブドウ栽培をしてきましたが、彼はさらに「健康や品質」を重視し、ビオロジック栽培へと切り替えました。化学薬品や農薬を使用しない栽培を行うことで、土壌にはテロワールの個性を代弁する自然酵母が自生し、ブドウの樹々は害虫や病気に対する抵抗力や免疫力を自ら高めていくのです。気候などの自然環境の要因で、ブドウの状態や収穫の時期は変化しますが、栽培において「魔法のレシピ」はなく、ブドウやテロワールと付き添うことが、何よりも大切というのがジェラルド流です。土壌:粘土石灰質


1997年に知人の醸造設備を借り、試験的に醸造し大成功。その後、ジャック・ネオポール氏の教えを請いながら、本格的に自社醸造・瓶詰めを開始しました。醸造は、15℃以下で低温発酵、長期熟成させるという方法で行います。低温発酵によって、より芳醇な発酵香・アロマを抽出させ、雑菌の繁殖を抑えることができます。長期熟成で大切に醸したワインは、できる限り亜硫酸(SO2)を入れず、自然な状態で瓶詰めします。自然酵母による醸造とは、土地をリスペクトすることという思想が現す通り、テロワールの力みなぎるワインを生み出します。


ジェラルドのワインは、ビオならではの溢れる果実味、そしてミネラルの旨味が詰まった魅力的な仕上がりです。抜栓してから少し時間をおいていただくか、デカンタージュしていただくと、さらに美味しい状態でお楽しみいただけます。味わいや香りの変化は、樹齢40年というブドウの樹やテロワールから与えられたパワーとフィネス(余韻や奥深さ)を感じさせます。[ジェラルドがセレクトした相性の良い料理:仔羊のグリル、ハムやソーセージなどと一緒に食前酒として]

「品種とは母である。テロワールとは父であり、ミレジムはワインの運命といえよう」これは、ワインが表現しているものを現す言葉です。私は、エコセールを取得しているにも関わらず、「ヴァン・ナチュレル」という表現を好みます。なぜなら、ワインの源となる畑の産物を、入念に栽培することに留まらず、ワインの醸造や保存の段階に至るまで、ワイン造りの全ての過程での信念を表現する言葉だからです。薬品を使用せずに、自然酵母のみでワイン造りに臨むのが、私のスタイルであり、人生なのです。ぜひあなたのパートナー、またはお友達と共にワインを囲んでみて下さい。きっと、そこには笑顔がこぼれるでしょう。ワインは、喜びの時間を提供するものであり、おいしい料理と分かち合うものです。日本のワイン愛好家の皆様は、私たち生産者の誇りです。ぜひヴァン・ナチュレルのクオリティの高さを味わい楽しんでみて下さい。